とりささみが高たんぱく食に使いやすい理由――低脂質だけではない便利な特徴
たんぱく質を意識した食事と聞くと、鶏のささみを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ささみは、鶏の胸の内側にある部位です。1羽からとれる量は限られていますが、脂質が少なく、たんぱく質を多く含む食材として知られています。
さらに、味にくせが少なく、和食、洋食、中華など幅広い料理に合わせやすいことも特徴です。加熱済みの缶詰やパウチを使えば、下処理や加熱の手間をかけず、いつもの食事に加えることができます。
今回は、とりささみがたんぱく質を意識した食事に使いやすい理由と、朝食・昼食・夕食への取り入れ方をご紹介します。
理由1.たんぱく質を多く、脂質を少なく含む
文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、若鶏のささみ・生は、可食部100g当たり、たんぱく質23.9g、脂質0.8g、エネルギー98kcalです。
つまり、食品重量に対してたんぱく質を多く含む一方、脂質は少ない食材といえます。
たんぱく質を増やそうとして食品の量を増やすと、同時に脂質やエネルギーも増えることがあります。その点、ささみは、食事全体の脂質を調整しながら、たんぱく質を加えたいときに使いやすい食材です。
ただし、生のささみと加工済みの商品では、水分量、味付け、調理方法などが異なります。商品の栄養成分を確認するときは、生のささみの数値ではなく、パッケージに表示された数値を使いましょう。
理由2.必須アミノ酸を含む動物性たんぱく質
たんぱく質は、多数のアミノ酸がつながってできています。
人の体を構成するたんぱく質には、主に20種類のアミノ酸が使われています。このうち、体内で必要量をつくることができず、食事からとる必要がある9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。
鶏肉は、必須アミノ酸を含む動物性たんぱく質の供給源です。食事からとった鶏肉のたんぱく質は、消化によってアミノ酸などに分解され、筋肉、皮膚、酵素、ホルモンなど、体内のさまざまなたんぱく質をつくるために利用されます。
ただし、ささみを食べれば、そのまま筋肉に変わるわけではありません。体づくりには、十分なエネルギー、運動、休養、そのほかの栄養素も必要です。
「ささみだけを食べればよい」と考えず、主食、野菜、豆類などと組み合わせることが大切です。
理由3.味にくせが少なく、料理を選びにくい
ささみは比較的淡泊な味わいで、さまざまな食材や調味料と組み合わせやすい食材です。
たとえば、次のような料理に利用できます。
和風
- ささみと野菜のあえ物
- ささみ入りみそ汁
- ささみとひじきの煮物
- ささみと豆腐のサラダ
- ささみのお茶漬け
洋風
- ささみと豆のサラダ
- ささみ入りミネストローネ
- ささみとトマトのパスタ
- ささみのサンドイッチ
- ささみとチーズのトースト
中華・エスニック風
- ささみと春雨のスープ
- ささみ入りチャーハン
- ささみときゅうりの中華あえ
- ささみの生春巻き
- ささみ入りカレー
味付けや組み合わせを変えられるため、同じ食材でも飽きにくく、朝食、昼食、夕食のいずれにも取り入れられます。
理由4.加熱済みの商品なら、すぐに使える
生のささみを使う場合は、筋を取る、加熱する、冷ます、ほぐすといった手間がかかります。
一方、加熱済みの缶詰やパウチ商品なら、開封してすぐに使えます。すでにほぐしてあるフレークタイプなら、包丁やまな板を使わず、料理にそのまま加えることもできます。
忙しい朝、短時間で昼食を用意したいとき、あと一品追加したい夕食などに便利です。
また、常温で保管できる未開封の商品は、買い置きやローリングストックにも利用できます。保存方法と賞味期限は商品ごとに確認しましょう。
開封後は賞味期限にかかわらず、商品に表示された方法で保存し、なるべく早く食べることが大切です。
理由5.1食分の量を確認しやすい
たんぱく質を意識した食事では、「何を食べたか」だけでなく「どれくらい食べたか」を確認することが重要です。
缶詰やパウチ食品には、1缶、1袋当たりの栄養成分が表示されているものがあります。これを使えば、食事にどの程度のたんぱく質を加えられるかを把握しやすくなります。
いなば食品のとりささみ商品には、次のような表示があります。
|
商品例 |
エネルギー |
たんぱく質 |
脂質 |
食塩相当量 |
|
とりささみフレーク 低脂肪 70g |
42kcal |
10.0g |
0.2g |
1.0g |
|
とりささみフレーク 食塩無添加 70g |
50kcal |
10.9g |
0.6g |
0.08g |
|
とりささみフレーク 低脂肪 3P・1袋50g |
43kcal |
9.7g |
0.4g |
0.6g |
同じとりささみ商品でも、たんぱく質、脂質、食塩相当量は異なります。
脂質を特に意識したいときは低脂肪タイプ、料理の味付けを自分で調整したいときは食塩無添加タイプ、小分けで使いたいときはパウチタイプなど、目的に応じて選べます。

1日に必要なたんぱく質の中で考えよう
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、健康な成人のたんぱく質推奨量が、18~64歳の男性で1日65g、成人女性で1日50gとされています。
「とりささみフレーク 食塩無添加 70g」のたんぱく質10.9gは、成人男性の推奨量65gに対して約17%、成人女性の推奨量50gに対して約22%に相当します。
ただし、とりささみだけで1日分をすべて補う必要はありません。
魚、卵、乳製品、大豆、豆類など、異なる食品を組み合わせることで、たんぱく質と一緒にさまざまな栄養素をとりやすくなります。
朝食に加える方法
朝食がパンだけ、ごはんだけになっている場合は、とりささみを加えることで、たんぱく質を補いやすくなります。
- トーストにとりささみをのせる
- とりささみと卵のサンドイッチ
- おにぎりの具にする
- みそ汁やスープに加える
- サラダにトッピングする
- とりささみと豆をヨーグルトやレモン風味であえる
一度に多く食べられない場合は、少量をスープやおにぎりに加えるところから始めてもよいでしょう。
昼食に加える方法
昼食がおにぎり、パン、麺だけの場合は、たんぱく質を含むおかずが少なくなることがあります。
- うどんに加える
- 冷やし中華にのせる
- サラダと組み合わせる
- パスタに加える
- チャーハンに加える
- とりささみと豆のスープを添える
市販の麺類やスープ、ドレッシングと組み合わせる場合は、料理全体の食塩相当量が多くなることがあります。とりささみ商品の食塩相当量だけでなく、献立全体で確認しましょう。
夕食に加える方法
夕食では、野菜や豆類と組み合わせると、たんぱく質に加えて食物繊維、ビタミン、ミネラルなども取り入れやすくなります。
- 蒸し野菜にのせる
- 豆と一緒にサラダにする
- 野菜スープに加える
- カレーに加える
- 豆腐やきのこと炒める
- キャベツや白菜と煮る
- トマト煮にする
油をほとんど含まない商品を使う場合でも、マヨネーズ、ドレッシング、炒め油などを多く使えば、料理全体の脂質やエネルギーは増えます。
反対に、食事全体のエネルギーが不足している人にとっては、油や主食を適量組み合わせることも必要です。「脂質が少ないほどよい」と一律に考えず、自分の食事全体に合わせましょう。
豆や穀類との組み合わせもおすすめ
とりささみは動物性たんぱく質、豆類は植物性たんぱく質の供給源です。
この2つを組み合わせると、たんぱく質に加え、豆に含まれる食物繊維もとることができます。
たとえば、次のような料理があります。
- とりささみとミックスビーンズのサラダ
- とりささみとひよこ豆のスープ
- とりささみと豆のカレー
- とりささみともち麦のリゾット
- とりささみと豆腐のみそ汁
さらに、ごはん、パン、麺などの主食と野菜を組み合わせれば、一食全体のバランスを整えやすくなります。
アレンジ料理はいなば食品公式サイトに掲載中!!
https://www.inaba-foods.jp/recipe/series/3
生の鶏肉を使う場合は十分に加熱する
生のささみを家庭で調理する場合は、食中毒を防ぐため、中心部まで十分に加熱する必要があります。
厚生労働省は、鶏肉を中心部75℃以上で1分間以上、またはこれと同等の条件で加熱するよう案内しています。
また、生肉を扱った包丁、まな板、トングなどから、サラダなど加熱せずに食べる食品へ菌が移らないよう注意が必要です。生肉を触った後は手を洗い、調理器具も十分に洗浄しましょう。
缶詰やパウチなど、加熱済みの商品を使う場合は、商品表示に従って取り扱ってください。
「高たんぱく」という言葉にも基準がある
日常会話では、たんぱく質を多くとる食事を広く「高たんぱく食」と呼ぶことがあります。
一方、食品パッケージや広告で「高たんぱく質」「たんぱく質が豊富」などと強調表示する場合は、食品表示基準で定められた条件を満たす必要があります。
そのため、商品を紹介する記事で「高たんぱく」と表現するときは、商品の分析値と表示基準を個別に確認することが大切です。
今回の記事タイトルのように食事全体の使い方を説明する場合でも、「この商品を食べれば筋肉が増える」など、効果を断定する表現は避けましょう。
まとめ
とりささみが、たんぱく質を意識した食事に使いやすい理由は、次のとおりです。
- 食品重量に対してたんぱく質を多く含む
- 脂質が少なく、食事全体を調整しやすい
- 味にくせが少なく、幅広い料理に合わせやすい
- 加熱済み商品なら、開封してすぐ使える
- 栄養成分表示から、1食分を把握しやすい
とりささみだけに偏るのではなく、魚、卵、大豆、豆類など、さまざまな食品と組み合わせることが大切です。
まずは、主食だけになっている朝食や昼食、野菜だけのサラダに、とりささみを加えることから始めてみましょう。
参考資料・根拠
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html - 文部科学省「日本食品標準成分表―若鶏・ささみ・生」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11227_7 - Food and Agriculture Organization of the United Nations. Dietary Protein Quality Evaluation in Human Nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92. 2013.
https://www.fao.org/4/i3124e/i3124e.pdf - 厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/campylobacterqa.html - 消費者庁「食品表示基準について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/※商品の栄養成分、原材料、パッケージは変更される場合があります。記事公開時には、最新の商品パッケージと公式商品情報をご確認ください。
※本記事は健康な一般の方に向けた栄養情報です。治療中の病気がある方や、医師からたんぱく質、脂質、食塩などの制限を指示されている方は、医師または管理栄養士へご相談ください。



















