豆からとれる植物性たんぱく質――大豆・ひよこ豆・レッドキドニーの特徴と取り入れ方
たんぱく質を多く含む食品というと、魚、肉、卵などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、たんぱく質は動物性食品だけでなく、大豆、ひよこ豆、レッドキドニー、えんどう豆などの豆類にも含まれています。
豆の魅力は、植物性たんぱく質と一緒に、食物繊維やカリウムなどもとれることです。サラダ、スープ、カレー、ごはんなどに加えやすく、魚や肉と組み合わせることもできます。
今回は、豆からとれる植物性たんぱく質の特徴と、毎日の食事へ無理なく取り入れる方法をご紹介します。
豆にもたんぱく質が含まれている
たんぱく質は、多数のアミノ酸がつながってできています。
食事からとったたんぱく質は、消化によってアミノ酸などに分解され、小腸から吸収されます。その後、筋肉、皮膚、酵素、ホルモンなど、体に必要なたんぱく質をつくる材料として使われます。
この基本的な流れは、魚や肉からとった動物性たんぱく質でも、豆からとった植物性たんぱく質でも同じです。
豆類の中でも、大豆は比較的たんぱく質を多く含みます。大豆からつくられる豆腐、納豆、豆乳なども、植物性たんぱく質の供給源です。
ひよこ豆やレッドキドニー、えんどう豆などにもたんぱく質が含まれており、食事の一品として利用できます。
豆の種類によって栄養成分は異なる
「豆」とひとまとめにしても、種類によって、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維などの量は異なります。
いなば食品の食塩無添加商品では、次のような栄養成分が表示されています。
|
商品例 |
表示単位 |
たんぱく質 |
脂質 |
食物繊維 |
食塩相当量 |
|
食塩無添加 北海道産大豆 |
1袋50g |
7.6g |
5.3g |
3.8g |
0g |
|
食塩無添加 ひよこ豆 |
1袋50g |
4.5g |
1.0g |
6.9g |
0g |
|
食塩無添加 ミックスビーンズ |
1袋80g |
7.4g |
1.0g |
8.0g |
0g |
|
毎日サラダ レッドキドニー 食塩無添加 |
100g当たり |
11.0g |
0.8g |
11.6g |
0g |
大豆は、ひよこ豆などと比べてたんぱく質と脂質を多く含む傾向があります。一方、ひよこ豆やレッドキドニーなどは、たんぱく質に加えて、糖質や食物繊維を多く含みます。
そのため、「豆ならどれでも栄養成分は同じ」と考えず、商品パッケージの表示を確認することが大切です。
特に、表の数値が「1袋当たり」なのか「100g当たり」なのかに注意しましょう。内容量110gの商品に100g当たりの数値が表示されている場合、全部食べたときの摂取量は表示値と同じではありません。
豆はたんぱく質と食物繊維を一緒にとれる
豆類の大きな特徴のひとつが、植物性たんぱく質と食物繊維を一緒にとれることです。
魚、肉、卵などの動物性食品には、基本的に食物繊維は含まれていません。一方、豆類にはたんぱく質と炭水化物、食物繊維が含まれています。
たとえば、「食塩無添加 ミックスビーンズ」は、1袋80g当たり、たんぱく質7.4gと食物繊維8.0gを含みます。
食物繊維は、豆以外にも、野菜、果物、きのこ、海藻、穀類などに含まれます。豆だけですべてを補うのではなく、さまざまな食品からとることが大切です。
豆をサラダ、スープ、カレーなどに加えると、料理のたんぱく質量だけでなく、食物繊維量も増やしやすくなります。
豆のたんぱく質にも必須アミノ酸がある
人の体を構成するたんぱく質には、主に20種類のアミノ酸が使われています。そのうち、体内で必要量をつくることができず、食事からとる必要がある9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。
植物性食品にも必須アミノ酸は含まれています。ただし、含まれる種類と割合は食品によって異なります。
大豆は、植物性食品の中では必須アミノ酸を比較的バランスよく含む食品です。一方、豆類では一般的に、含硫アミノ酸と呼ばれるメチオニンなどが相対的に少なくなりやすい傾向があります。
反対に、米や小麦などの穀類では、リジンが相対的に少なくなりやすい傾向があります。
そこで、豆類と穀類を食事の中で組み合わせると、お互いのアミノ酸構成を補いやすくなります。
ごはんと豆は相性のよい組み合わせ
豆類と穀類の組み合わせには、次のようなものがあります。
- ごはん+納豆
- ごはん+大豆入りみそ汁
- 豆入りカレー+ごはん
- ミックスビーンズ+もち麦
- パン+ひよこ豆のペースト
- 豆のスープ+パン
- 豆入りタコライス
- 大豆入り炊き込みごはん
必ず同じ料理の中で組み合わせなければならないわけではありません。健康な人が1日の中でさまざまな食品を食べ、必要なエネルギーとたんぱく質を確保していれば、複数の食事を通してアミノ酸を補い合うことができます。
「植物性たんぱく質は、毎食厳密に組み合わせなければ利用できない」ということではありません。
魚や肉と組み合わせてもよい
豆を食べるからといって、魚や肉を完全に置き換える必要はありません。
動物性食品と植物性食品を組み合わせれば、それぞれの特徴を生かすことができます。
- ツナ+ミックスビーンズ
- とりささみ+ひよこ豆
- 卵+大豆
- 魚+豆腐
- 豚肉+レッドキドニー
- チキン+大豆
- ツナと豆のトマト煮
たとえば、「国産ライトツナスーパーノンオイル 70g」のたんぱく質12.5gと、「食塩無添加 ミックスビーンズ 80g」の7.4gをすべて組み合わせると、商品表示上の単純合計で19.9gになります。
ツナと豆のサラダに野菜を加え、パンやごはんを添えれば、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事に近づけられます。
豆だけで1日分を補う必要はない
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、健康な成人のたんぱく質推奨量が、18~64歳の男性で1日65g、成人女性で1日50gとされています。
たとえば、たんぱく質7.4gのミックスビーンズは、成人男性の推奨量65gに対して約11%、成人女性の推奨量50gに対して約15%に相当します。
豆だけで1日分のたんぱく質をすべて補おうとすると、食べる量が多くなり、同時に炭水化物やエネルギーの摂取量も増えます。
豆は、1日のたんぱく質源のひとつとして取り入れましょう。魚、肉、卵、乳製品、豆腐、納豆などと組み合わせ、食事全体で必要量を確保することが大切です。
朝食に豆を加える方法
朝食がごはんやパンだけになっている場合は、豆を少量加えることで、植物性たんぱく質と食物繊維を補いやすくなります。
- ごはんに納豆をかける
- みそ汁に大豆や豆腐を加える
- ミックスビーンズ入りサラダを添える
- ひよこ豆をスープに加える
- 大豆入りおにぎりにする
- 豆とツナをパンにのせる
ドライパックなど、そのまま食べられる商品を使えば、朝から豆をゆでる必要はありません。
昼食や夕食に豆を加える方法
昼食がおにぎりや麺だけの場合は、豆を使ったサラダやスープを一品添える方法があります。
夕食では、肉料理の一部を豆に置き換えたり、肉や魚の量を変えずに豆を少量加えたりできます。
- サラダに加える
- カレーやシチューに加える
- ミネストローネに加える
- ひじきの煮物に加える
- チャーハンに加える
- ハンバーグの具に加える
- トマト煮に加える
- 鶏肉と一緒に煮る
- ツナとあえて副菜にする
豆を加えると料理のボリュームが増すため、主食やほかのおかずを含めた食事全体の量も確認しましょう。
食塩無添加商品なら味付けを調整しやすい
豆の水煮や缶詰には、食塩を加えた商品と、食塩無添加の商品があります。
すでに味のついたカレー、スープ、ツナなどと組み合わせる場合は、食塩無添加の豆を使うと、料理全体の味を調整しやすくなります。
ただし、「食塩無添加」は「味付けをいくら濃くしてもよい」という意味ではありません。しょうゆ、みそ、ドレッシング、スープの素などからも食塩をとるため、献立全体で考えることが大切です。
また、食塩相当量が0gと表示されていても、商品によっては表示上の丸め方などが関係する場合があります。正確な情報は各商品の表示を確認してください。
豆を食べるとおなかが張ることがあるのはなぜ?
豆類には、食物繊維や、消化されにくいオリゴ糖などが含まれます。
これらの一部は大腸へ届き、腸内細菌によって利用される過程でガスが発生することがあります。そのため、普段あまり豆を食べていない人が急に量を増やすと、おなかの張りを感じる場合があります。
心配な場合は、一度にたくさん食べず、少量から始めましょう。よくかみ、水分も適切にとりながら、体調に合わせて量を調整します。
強い腹痛などが続く場合や、消化器の病気で治療中の場合は、医師や管理栄養士へ相談してください。
乾燥豆と調理済みの豆の違い
乾燥豆は、保存しやすく、料理に合わせて量を調整できる一方、豆の種類に応じて、水に浸す、ゆでるといった調理が必要です。
缶詰やドライパックなどの調理済み商品は、開封後すぐに料理へ使えるため、忙しい日の食事に向いています。
ただし、すべての豆を生や加熱不十分な状態で食べられるわけではありません。乾燥豆を使う場合は、商品に記載された戻し方や加熱方法に従ってください。
調理済み商品も、開封後は表示に従って保存し、なるべく早く食べましょう。
大豆アレルギーにも注意
大豆は、食品表示法におけるアレルギー表示の対象品目のひとつです。
大豆アレルギーがある人は、大豆そのものだけでなく、大豆を含む加工食品にも注意が必要です。ミックスビーンズの場合も、大豆が含まれている商品と、含まれていない商品があります。
原材料名とアレルギー表示を商品ごとに確認してください。
まとめ
豆からとれる植物性たんぱく質には、次のような特徴があります。
- 大豆、ひよこ豆、レッドキドニーなどに含まれる
- たんぱく質と食物繊維を一緒にとりやすい
- 豆の種類によって、たんぱく質や脂質の量が異なる
- 穀類や動物性食品と組み合わせやすい
- 調理済み商品なら、開封してすぐに使える
豆だけで1日分のたんぱく質を補う必要はありません。
ごはんと豆、ツナと豆、とりささみと豆など、さまざまな食品と組み合わせながら、毎日の食事に取り入れてみましょう。
参考資料・根拠
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html - 文部科学省「日本食品標準成分表・食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/ - Food and Agriculture Organization of the United Nations. Dietary Protein Quality Evaluation in Human Nutrition. FAO Food and Nutrition Paper 92. 2013.
https://www.fao.org/4/i3124e/i3124e.pdf - Mariotti F, Gardner CD. Dietary protein and amino acids in vegetarian diets—a review. Nutrients. 2019;11(11):2661.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31690027/
DOI: 10.3390/nu11112661 - Herreman L, Nommensen P, Pennings B, Laus MC. Comprehensive overview of the quality of plant- and animal-sourced proteins based on the digestible indispensable amino acid score. Food Science & Nutrition. 2020;8(10):5379–5391.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33133540/
DOI: 10.1002/fsn3.1809
※商品の栄養成分、原材料、内容量、パッケージは変更される場合があります。記事公開時には、最新の商品パッケージと公式商品情報をご確認ください。
※本記事は健康な一般の方に向けた栄養情報です。治療中の病気がある方や、医師からたんぱく質、カリウム、食物繊維などの摂取について指示を受けている方は、医師または管理栄養士へご相談ください。



















